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バーニャカウダのお話し

更新日:2021年1月18日

"たかがバーニャカウダ、されどバーニャカウダ"


日々。

私はお客さまと黒板メニューを見ながら、

ご注文をお伺いしているのですが、


「野菜のメニューはどれですか?」

と質問されます。


「沢山のお野菜がとれるのは、

バーニャカウダですかねっ。」とお伝えすると、

「バーニャカウダかぁ、そういうのではなくて、

他に野菜のメニューは無いんですか?」

と聞かれることもしばしば、、、

「バーニャカウダかぁ」の言葉に

ちょっぴり凹むこともあったり()

お客様のイメージするバーニャカウダは、

どのような感じなんでしょうか?


今回は2回目の私とシェフの会話スタイルで。


 

katou:

たぶん、多くのお客さまがイメージするのは、

オイルと分離していて脂っこいか、

乳製品にアンチョビとニンニクの味が加わった感じの生臭く味のキツい感じではないでしょうか?


当時は、"流行り"だからと、

僕も敬遠していた料理です。


こんなに沢山の野菜を楽しめるのに、

なんとかならないものかなぁ〜。

と思っていたメニューの一つなんです。


takako:

そうですねっ。

今では、誰もが知っているメニューですし、

スーパーや百貨店でソースは簡単に手に入り、

お家でも楽しめてしまう、、、

お味も千差万別ですよねっ。


katou:

僕、個人的にも

ニンニクやアンチョビの生臭さ。

あとから込み上げてくる

ニンニク臭が苦手なんです。


takako:

ちょっぴり感じの悪い言い方になってしまうかもなのですが、悪しからず(笑)


イタメシブームを彩ったカジュアルなイタリアンのお店には

必ずメニューにあったバーニャカウダ。

この時代にたくさん通った方達にとっては、

正直、面白くないメニューかも、、、

見た目は華やかでも、

オイリーなダークなイメージがありますよね。


katou:

そうですね(笑)

オープン当初は、

メニューにのせたけど、、、

なかなか注文が入らな、、、(笑)


takako:

いまでは、

当店のリピート率ナンバーワン!

実は、

男性の方からの反応が特に良いですよねっ。

この秘密を是非とも、、、



katou:

材料はいたってシンプルなのですが、

しっかりと下処理、ひと手間が大切。


①先づはニンニクの皮と芯を取り除きます。


*point!

芯は胸焼けや臭みの元なのでしっかりと。


②牛乳で茹でます。

一度の仕込みで牛乳、1本以上を使います。

沸いて弱火にして牛乳にニンニクの香りが移ると、牛乳を捨てて新しいのをつぎ足し、

また、茹でこぼす。

何度もこの工程を繰り返します。


*point!

多くの場合は、

同じ牛乳でニンニクを茹でてしまいますが、

香りが移った牛乳でどんなに茹でても

キツイ香りと胸焼けする感じは残り続けてしまうので、何度も何度も、

新しい牛乳で茹でこぼします。

さらに玉葱を少し入れ一緒に茹でこぼします。

臭みも取れるし玉葱のほのかな甘みと優しさがソースに加わります。


takako:

牛乳1本以上!とっても贅沢ですね。

しっかりとニンニクを使ってるのに

嫌な臭みが残らない秘密はこれなんですね!



katou:

③次は茹でこぼしたニンニクに

無塩バターとアンチョビを火にかけ、

ニンニクと合わせます。

そこにピュアオリーブオイルを加えて、

乳化されるように攪拌してベースの完成です。


takako:

Extraバージンではなくピュアですか?



katou:

僕流ですが、ピュアを使っています。

Extraバージンを使うと

くどくなったり、青臭さが強くでてしまいます。加熱することにより香りも飛んでしまいます。


アンチョビもフィレではなく、

ペーストでも大丈夫です。

火の入れ方次第で、

ペーストでも美味しくなります。


takako:

ここの火入れは、

仕込み中に店内に漂よう食欲をそそる

あの香りですねっ。


katou:

④完成されたベースに、

生クリームを少量加え、のばし温め、

器に流し込んだらブラックペッパーを挽いて

完成です。

生クリームについてはまた、別の機会に(笑)。


katou:

あとは、野菜を温めたソースに、

たっぷり浸して楽しくお召し上がりください。




katou:

当店では野菜は、

蒸す、茹でる、焼く、揚げ焼き、

低温で火を入れる等々、

素材に合わせて色々な調理法で提供させて頂いています。

takako:

メニュー名はシンプルすぎですが(笑)

一度食べると、

このクリーミーで癖になる味わいハマります。

残ったソースにパンをつけでお召し上がりになる方もいますよ!!


katou:

シンプルなメニューをやり続ける意味は、

きっとこれから、10年、20年と続けていくと

何か意味を持つのかもしれません。

誰もが知っているメニューを、

ちゃんと、

手間隙かけて、

定番メニューの底力、

常に進化し続けながら無性に食べたくなる定番的な存在でありたいという想いから

これからも突き詰めて行きたいなっ、

と思ってます。


takako:

私もネットで作り方を検索したことが

ありますが、

同じようなレシピですが、

シンプルだからこそ、

作り手の個性が出るんですね。

シェフ、ありがとうございました。


 

皆さま、

ホント、私たちのつたない文章でごめんなさい(笑)

お付き合い頂きありがとうございました。




















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